SSブログ

定常電流による磁場 No. 1 -直線電流の磁場の表式- [電磁気レポート磁場編]

メインブログ https://physicsreport123.seesaa.net/article/487883146.html?1652154657へ移動(2022/05/10)

 目次と概要の一部をご紹介いたします。この分野に興味があられる方や、コラム(ガチガチの物理屋さんでなくても読めるものもあります!)に、ご興味のある方は、アップしたPDFファイルをダウンロードして読んでください。
#####ダウンロードは以下から####
seijiba1.pdf
######################

2017.3.8 majime_na_hanashi より


定常電流による磁場 No. 1 目次

1 静磁場の概要

2 磁場の発見;1820 年の2つの実験
2.1 実験1;定常電流が流れる1本の直線導線の周囲での方位磁針の動き . . . . . . . . . . . . . . 3
2.2 実験2;二本の平行導線間の力byアンペール........................... 4

3 直線定常電流の作る磁場の表式 5 3.1 電流と電荷の量の定義 ........................................ 5
3.2 直線定常電流の作る磁束密度ベクトルの表式............................ 6
3.3 磁場とは................................................ 8
3.4 電磁気学の各量の単位について ................................... 9

4 数式のまとめと重要事項の確認 10

5 コラム 12 5.1 磁荷について ............................................. 12
5.2 電荷の定義より前に、クーロン則の発見! ............................. 13

概要
 電場は荷電粒子により作られます。厳密に言えば、静止した荷電粒子が作る電場が静電場と呼ばれ、運動し ている荷電粒子が作る電場は変動電場と呼ばれます。
 一方、磁場は運動する荷電粒子により作られます。ですから、静止した荷電粒子により電場は形成されま すが、磁場は形成されることはありません。 磁場も電場のように分類されます。定常電流(荷電粒子の運動 に時間変動がない場合)により生じる磁場を静磁場と呼び、時間変動する電流(交流電流など)から生じる磁 場を変動磁場と呼びます。

 古くから、磁石は知られていましたので、鉄を動かしてくっつけるという磁力の概念はあったようです。こ れを磁場という言葉を用いて科学的に考察し始めたのは、電荷間に働く力;クーロン力(クーロンの法則)の 発見の 1785 年から 35 年も経過してからです。
 歴史的には、1820 年 7 月のエルステッドの電気回路の周りで方位磁針が動くという発見がスタートになっ ています。このエルステッドの発見を受け、実験により定量的に実証し考察したのが、アンペール(同年 9 月 11 日発表)とビオとサバールの(同年 10 月 30 日発表)でした。
 エルステッド、アラゴ、アンペールによって示された電流によって作られる磁場の向きは“ 右手(ネジ)の 法則 ”と呼ばれています 1。これにより電流の方向と観測点が作る平面に垂直な方向に磁場が形成されていく という非常に重要な関係が得られます。“ 右手(ネジ)の法則 ”は磁気学の土台の法則です。一方、ビオとサ バールの研究はビオ・サバールの法則式に帰結されますが、右手(ネジ)の法則 ”が大前提になり、微少定常 電流が作る磁場を定量的に議論し導出しています。ビオ・サバールの法則式は電場のクーロンの法則の磁場番の法則式です(定常電流による磁場 No. 2 ”で詳細を議論します。)。 したがって、磁場の法則式を整理すると、最も大前提は“ 右手(ネジ)の法則 ”、そしてそれに基づき定量的に法則式化したものがビオ・サバールの法則式です。静電場で習ったガウス則と渦なしの法則と同様に、 磁場はビオ・サバールの法則式からガウスの法則、渦あり法則(アンペールの法則)の特徴を持つ法則式が得 られます。

“ 定常電流による磁場 No. 1 ”では、エルステッドとアンペールの実験から“ 右手(ネジ)の法則 ”を確認し、直線定常電流が作る磁場と電流が磁場から受ける力を数式化します。
“ 定常電流による磁場 No. 2 ”では、ビオ・サバールの法則について議論します。
“ 定常電流による磁場 No. 3 ”では、磁場のガウス則と渦あり則(アンペールの法則)、円電流の作る磁場 と磁気モーメントについて議論する予定です。

 また、磁場を表す量の単位は、この分野で整理しなくてはならない最優先課題の一つですので、議論の必要が出 てきた時に、その都度、丁寧に考える予定です。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。